臓器別に見るがんの症状と検査方法

非喫煙者も発症リスクがある肺腺がんは女性に多い

他のがんに比べて発見が遅れることが多い肺がんは、男性の死因第1位、女性で死因第1位のがんとなっています。喫煙者に目立って多いがんですが、非喫煙者の発症が増えており注意が必要です。

肺の炎症が慢性化すると危険

肺の入り口付近にできる「扁平上皮がん」は、タバコの影響が大きいため、ほとんどの発症者は喫煙者である一方、肺の奥の粘液などを分泌する組織にできる「肺腺がん」などのタイプは、タバコの影響はあるもののそれほど大きくないため、タバコを全く吸わない人でも発症します。

実際、男性の喫煙人口の減少に比例して扁平上皮がんの患者さんは減っているのですが、肺腺がんは増加傾向にあり、女性の肺がんの70%はこのタイプとなっています。リスクを高めるのは男女ともに大気汚染ですが、女性に発症者が多いのは女性ホルモン(エストロゲン)が関係していると考えられています。

肺がん検診は、厚生労働省のガイドラインの指針として、胸部X線検査と喀痰細胞診の併用が記されています。気管支が左右の肺に分かれる部位(肺門部)のがんは、気管支鏡や採取した痰を検査することで発見しやすい反面、X線写真では捉え難いという一面があります。

逆に肺の抹消(肺野部)にできるがんはX線で発見しやすくなっています。小さながんや心臓や太い血管の影に隠れた部位に発症するがんは、CT検査で早期発見することが可能です。

喀痰検査や胸部X線検査で疑わしい所見が見つかった場合、胸部CTでがんの診断をほぼ確実につけることができます。最初からCT撮影をおこなえばより確実ですが、放射線の被爆リスクや費用の問題から、最初から行われることは現在のところありません。

肺がんを確定診断するあtめには、組織を採取して調べる病理学的検査が必要となります。気管支内視鏡は肺門部の入り口付近の組織しか採取できないため、深い部分の組織を採取する際は、胸腔鏡検査、胸腔穿刺、胸膜生検などが実施されます。これらの検査で肺がんの確定診断がついたならば、がんのステージ(病期)を確定するための画像診断と、骨シンチグラフィ、胸腔鏡などの検査を行って、治療方針を決定します。

1日の喫煙本数×喫煙年数で表せる数値を「喫煙指数」といいますが、50歳以上でこの数値が600以上の人、あるいは40歳以上で半年以内に血が混じった痰が出た人は、肺がんのハイリスク群に属するので、喀痰細胞診の対象者となります。肺がんが疑われる場合には、気管支内視鏡で医師が直接肺を観察します。