臓器別に見るがんの症状と検査方法

膀胱がんは早期に発見できれば、5年生存率は90%以上

尿を溜める袋状の臓器である「膀胱」の内部は、移行上皮という粘膜で覆われていますが、その粘膜に発生するのが、40歳以上の男性、特に喫煙者に多く見られる「膀胱がん」です。喫煙者の発症リスクは非喫煙者の2〜4倍とされており、膀胱がんの最大の危険因子となっています。そのほか、化学薬品や染料を日常的に扱っている職業に発生頻度が高くなっています。膀胱結石を長期間患っていると、その刺激によってがんが発生することもあります。

血尿で発見されるがん

膀胱がんの特徴的な初期症状は、肉眼でもハッキリわかるほどの赤色や茶褐色の血尿です。病変が膀胱の出口に近いと、頻尿や排尿痛、尿の白濁、残尿感など膀胱炎に近い症状が現れます。

膀胱がんの70%は、がん細胞が浅いところに留まっている「表在がん」で、30%はがん細胞が膀胱の筋肉に達する「進行がん」です。進行がんは膀胱全摘手術が行われますが、表在がんでは膀胱を残す手術が行われます。

検査では採尿をして、血尿が出ていないかを確かめます。血尿の原因には、尿路感染症、結石、腎炎などがあります。肉眼で確認できない血尿を「顕微鏡的血尿」といいますが、顕微鏡的血尿が見つかった人の0.4〜6.5%は膀胱がんが発見されるという研究もあります。

膀胱内に尿を溜めて行う超音波検査では、膀胱内の腫瘍を確認することができます。しかし、最も確実に膀胱がんを確認できるのは、尿道経由で膀胱内を観察する膀胱鏡検査です。

膀胱がんは早期に発見できれば、5年生存率は90%以上となっており、他のがんよりも予後は良いとされています。血尿が出た場合は、泌尿器科を受診しましょう。

膀胱がんは治療後も膀胱を含む尿路にがんが発生するリスクが高いので、5年以上の期間にわたって、定期検査が行われます。