臓器別に見るがんの症状と検査方法

先進国の中で日本人に特に多い食道がんのリスク要因と検査

喉と胃の間にある約30cmほどの管状の臓器が食道です。この食道の内面の粘膜である扁平上皮という組織から発生するのが、先進国の中で日本だけに突出して多く見られる「食道がん」です。好発年齢は50〜70歳代で、男女は1:5と圧倒的に女性が多くなっています。

バリウム検査で発見が可能です

食道がんの直接的な原因は不明ですが、喫煙や大量飲酒など食道の粘膜を刺激し、炎症を起こしやすい人はリスクが高いと考えられています。暑い食べ物や飲み物を好む習慣もリスクを高める要因となります。

初期症状としては、喉がしみたり、食事の際に食べ物の通りが悪かったり、胸骨後部に違和感を感じる人もいますが、多くの場合で自覚症状はなく、健診や人間ドックで偶然発見されるケースが多くなっています。食道がんは、胃や大腸などのほかの消火器系のがんに比べて、放射線や化学療法(抗がん剤)が有効ですので、双方を組み合わせることにより、進行度の高いがんでも手術が可能になっています。

食道がんの検査は、内視鏡や上部消化管X線検査(バリウム検査)による画像診断が中心となります。食道がんが疑われた場合、精密検査として食道造影X線検査と内視鏡検査が行われます。がんの確定診断がついたら、超音波内視鏡やCT、MRIなどでその形状や進行の度合いを確認します。

食道がんの進行度は、粘膜表層にがんが止まっている(=転移がない)初期の0期にはじまり、末期のW期までの5段階に分けられます。0期の段階で発見できれば、内視鏡で病巣粘膜を切除する内視鏡的粘膜切除が適応になることもあります。

食道は気管、大動脈、心膜などの臓器に接しており、直接浸潤があると根治的切除が不可能となるため、T期以上の食道がんの治療前には、局所の進展と転移を調べるための造影CT検査が実施されます。