実施概要

 「シリコンシーベルト福岡プロジェクト」では、アジアのシステムLSI設計開発拠点を福岡県内に構築することを目的として、システムLSIに関する「人材育成」、「研究開発」、「ベンチャー育成・支援」、「交流・連携促進」、「集積促進」などの活動を実施しています。このプロジェクトのもと、福岡県と北九州市は、文部科学省の知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)の実施地域として採択され、平成14年度から平成18年度にかけて「九州広域クラスター」事業を実施してきました。

■技術への貢献
■ 福岡地域では、「システムLSI応用技術」、「システムLSIアーキテクチャ」及び「システムLSI設計支援技術」に関して研究を行い、システムLSIのキーテクノロジーを開発しました。
■ 北九州学術研究都市地域では、システムLSI技術とナノサイズセンサ技術を生かし、これからの半導体の有力なアプリケーションとして環境をベースに新産業分野を創出しました。

■社会への貢献
■ 企業集積
県内のシステムLSI関連企業の集積が、福岡地域、北九州学術研究都市地域を中心に当初の5倍を超える110社に増大しました。

■ 人材育成
福岡地域、北九州学術研究都市地域において、システムLSI開発技術者を延べ約4,000名(平成13年度~平成18年度実績)育成しました。
第Ⅰ期事業の取り組みと成果 グラフ 

 

主な研究成果
SiP設計のためのEDAツールと標準基板・TEGチップを開発
 研究テーマ「SiPモジュール設計技術の開発」に参画する福岡大学を中心としたグループでは、高周波SiP(System in a Package)を設計するためのEDAツールを開発しました。電磁界解析、熱解析などを行いながら統合的に設計できる機能を有しています。また、SiP基板のパラメータやICチップを実装したときの接合状態を評価するための標準基板と専用のTEGチップも開発しました。これらの成果を基に、SiP基板標準化を推進するための組織SIPOS (System Integration Platform Organization Standards)が設立されました。 標準基盤とTEGチップ
商用ソフトと連動する組み込みソフト用ツールの開発に成功
 研究テーマ「組み込み用ソフトウェア開発技術の開発」に参画する九州大学を中心としたグループは、企業における組み込み用ソフトウェア開発の信頼性向上を目的に、大規模化、複雑化している状態遷移表の問題点を発見する技術を研究開発し、キャッツ(株)製CASEツールZIPCと連携動作する状態遷移表モデル検査ツールGarakabuを開発しました。共同研究企業であるキャッツ(株)は、福岡システムLSI総合開発センター内に研究所を設立しました。 ZIPCとGalakabu 
無線通信用アンテナの超小型化に成功
 研究テーマ「超低消費エネルギー化モバイル用システムLSIの開発」に参画する九州大学を中心としたグループでは、無線通信用システムLSIの超小型化・超低消費エネルギー化の研究を行いCPW(コプレーナ・ウエーブ・ガイド)を応用することでフィルタとマッチング機能を持つ微小アンテナ(アンテナ面積80%縮小)を開発しました。 開発微小アンテナの放射パターン 
消費電力を大幅に削減した動画圧縮LSIを開発
 動画の圧縮には膨大な演算量が必要であり、多くの電力が消費されてしまいます。そこで、研究テーマ「アプリケーションSoC」では、福岡・北九州地域の広域連携により早稲田大学が中心となって、計算量が少ない動画圧縮方式を考案し、消費電力が従来の1/5以下の動画圧縮LSIを設計開発しました。動画の撮像・圧縮通信機能を有する携帯電話やネットワークカメラ等への商品化が期待されます。 動画圧縮LSI 
CMOS互換新規不揮発メモリ(Perm SRAM)技術実用化の進展
 研究テーマ「新構造LSI」の技術シーズ(Perm SRAM技術 九工大 中村和之教授)をベースに、NScore社(H16年度北九州学術研究都市内で起業)にて実用化を進め、H19年度には大手IDM等にライセンシングができた。Perm SRAM技術はCMOSプロセスで作成できる汎用的な不揮発メモリ技術であり、車載用LSIを含む各種LSIに適用可能である。本事業は大きな展開が期待できる。  北九州学術研究都市事業支援センター
アナログ半導体設計自動化ツールの商品化
 研究テーマ「アナログ・ディジタル混載LSI設計環境」に参画する北九州市立大学中武繁寿准教授ほかの技術シーズを活用することにより、自動素子配置やコンパクション、デバイス自動生成などの機能が開発され、共同研究企業(ジーダット・イノベーション社)が会話型高速素子自動配置ツール「Amper(アンペア)」、配置、配線制約を保持してアナログコンパクションを行うツール「Grana(グラーナ)」等を次々に商品化しました。
アナログコンパクションツール「Grana」
超音波交通流監視システムの交通事故低減効果を確認
 研究テーマ「超音波センサネットワーク技術(早大 馬場孝明教授)」において、交通流監視システムを光陽無線(株)と開発した。追突事故が頻発する武岡トンネル(鹿児島市 1,506m)にて、国交省管轄の「武岡トンネル状態監視設備整備事業」に対し提供した(H19年春)。超音波センサは明暗、壁面反射などの外乱に強く演算量が少ない。渋滞情報のリアルタイム表示などの効果で、交通事故を大幅に低減できた(H19)。本システムは今後大きな展開が期待できる。
国道3号線竹岡トンネル情報板

※1期のHPはこちらから