これまでの取組みと成果

 地域イノベーションクラスタープログラム(グローバル型【第II期】)においては、これまでの取り組みや開発によって次のような成果が得られました。

■企業集積
 県内のシステムLSI関連企業の集積が、福岡地域、北九州学術研究都市地域を中心に当初の約9倍となる192社近くまで増大しました。

■人材育成

 福岡地域、北九州学術研究都市地域において、システムLSI開発技術者を延べ約6,404名(平成13年度~平成21年度実績)育成しました。


 システムLSI開発関連企業の集積 
主な研究成果

モデル検査ツール「Garakabu」の開発
九州大学大学院 システム情報科学研究院 教授 福田 晃

 キャッツ(株)のZIPC(状態遷移表ベースのCASEツール)上でモデル検査を行うツール「Garakabu」を研究開発しています。ソフトウェア開発の上流工程で、モデルの“振る舞い”を証明することにより、システムの品質向上、工数削減に大きく貢献することが期待できます。また、車載組込みソフトウェアに適したモデル検査技術を研究することで、自動車業界に貢献することを目標にしています。既に(株)デンソーにおいて、モデル検査ツールとして採用されています。

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 状態遷移表によるモデル検査
置くだけで無線LANエリアが拡大する手のひらサイズの小型中継・基地局
九州大学大学院 システム情報科学研究院 准教授 古川 浩

 研究テーマ「MIMO-MESHポイントの研究開発」に参画する九州大学を中心とするグループでは、置いてボタンを押すだけで無線LANの通信エリアを容易に拡大することができる装置「PicoMesh Lunchbox」を開発しました。また、本研究成果を活用し事業化を牽引するベンチャー企業(PicoCELA(株))を創出、この取組が評価され日刊工業新聞社主催「第3回モノづくり連携大賞」を受賞しました。平成21年度は、LunchBoxを高性能化させた「PicoMESH SHELL」の開発成功を目指しています。さらに、SHELL開発より当テーマ参画中である東京のIT企業:ウィンワンズウェイ(株)の誘致に成功しています。

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 H21年度完成予定のプロトタイプ「PicoMesh SHELL」 
放送通信融合時代の次世代共通社会基盤構築
九州大学大学院 システム情報科学研究院 准教授 藤崎 清孝

 安心安全で柔軟な権利権限管理を可能とするシステム(VRICS)をコア技術として、放送通信融合時代に向けた社会情報基盤の構築を目指しています。これまでに、要素技術としてVRICSに対応した各種リーダやこれに連携する電子錠を商品化しました。また、デジタル放送活用のため、デジタル地上波放送実験試験局免許を取得し、放送と通信の融合環境での実証実験を進めると共に、様々な場面で情報提供を可能とする放送配信ステーションプロトタイプを開発しました。さらに、社会情報基盤の機能性や信頼性を向上させるため、実用的なデザインやユーザビリティの検討並びに国内および海外を対象とした外部資金による様々な実証実験を実施しています。

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 放送    
生細胞3次元培養用チップ(マイクロ スフェア アレイ)を製品化
北九州市立大学 環境工学部 准教授 中澤 浩二

 知的クラスター創成事業(第Ⅰ期)において北九州学術研究都市で起業したSTEMバイオメソッド(株)が知的クラスター創成事業の成果(研究テーマ「高性能バイオマーカーセンシング技術の研究開発」に参画する北九州市立大学中澤浩二准教授の微細加工技術と基板表面修飾技術)を利用し、簡便な操作での細胞培養を可能とする生細胞3次元培養用チップ(マイクロ スフェア アレイ)を製品化しました。

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 製品化した生細胞3次元培養用チップ 
次世代実装評価技術開発のための先端TEGおよびRSの開発
福岡大学 工学部 教授 友景 肇

 研究テーマ「半導体実装プラットフォームの研究開発」に参画する福岡大学を中心としたグループでは、先端デバイスの実装工程を評価するために、Low-k(低誘電率)材料を用いたTEG(Test Elementary Group)およびそれを実装 するRS(Reference Substrate)を開発しました。これを用いて、ワイヤーボンディング等の機械的応力負荷およびリフロー等の熱負荷が実装の信頼性に与える影響を評価しています。また、3次元SiP(System-in-Package)を設計するためのEDA(Electronic Design Automation)ツールの開発も行い、STEERSIPという名前で商品化しています。 

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 Low-kTEGチップ搭載済RS(上)と樹脂封止後のRS(下) 
通信用パターンマッチング回路の高速化
九州工業大学大学院 情報工学研究院 教授 笹尾 勤

 研究テーマ「高速パターンマッチング回路の合成とその応用に関する研究開発」に参画する九州工業大学笹尾研究室を中心としたグループでは、通信用パターンマッチング回路の高速化に関して研究を行っています。現在までに、CAM(連想メモリ)機能を通常のRAMで能率よく実現する方法を開発し、厳密マッチングや、LPMマッチング(longest prefix match)の高性能化を図りました。今後は、正規表現マッチング回路の開発を行う予定です。写真は、インターネットのウイルスを高速に検出する回路で、FPGAとSRAMから構成されています。SRAM上にウイルスパターンを50万個以上格納可能です。

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パターンマッチング用並列プロセッサ  
「調剤過誤防止装置」の製品化とベンチャー企業の設立
早稲田大学大学院情報生産システム研究科 教授 鎌田 清一郎

 研究テーマ「高速パターンマッチング回路の合成とその応用に関する研究開発」に参画する早稲田大学鎌田研究室は、調剤過誤による薬剤師への心理的負担を軽減するため、処方箋情報と実際の薬剤との種類・数量の相違を防止する調剤過誤防止装置を製品化しました。本装置は、調剤のPTP錠剤を対象とし、小型で卓上にも設置可能な装置で、高精細カメラを利用して形状を判別し、錠剤を高精度かつ高速に認識し、処方箋情報との合致を判定、表示するものです。判定は単一種類の錠剤はもちろんのこと、従来は認識が困難であった複数種類の錠剤でも対応可能です。また、本研究成果等を活用し、ベンチャー企業((株)ハイブリッド・リコグニション・テクノロジーズ)を設立しました。

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調剤過誤防止装置 

低消費電力の次世代ハイビジョン用(4kx2k)ビデオ復号LSIを開発
早稲田大学大学院情報生産システム研究科 教授 後藤 敏

 研究テーマ「ICTアプリケーションLSI IPとその先端的設計技術の研究開発」に参画する早稲田大学後藤敏研究室は、上海交通大学と共同で世界に先駆けて次世代フルハイビジョン(4096x2160)向け対応のH.264復号LSIを低消費電力で実現することに成功しました。これは、H.264/AVCハイプロファイル標準仕様に基づくデコーダで、4096x2160画素の動画を60枚/秒処理でき、外部DRAMとデコーダエンジン間の転送量を従来に比べ38%削減できます。また復号チップの電力消費も4096x2160@60fpsで189mWを達成、従来の復号チップに比べて55%~64%の消費電力を削減、DRAMも60%の消費電力削減を図りました。このように極低消費電力で回路規模の小さなLSIを開発できたことで、高品質な家庭用ビデオ等のより大きなマーケットを開拓できると期待できます。

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開発したマルチフォーマット動画像複合LSI