臓器別に見るがんの症状と検査方法

病院が公表する治療データやランキング本だけを参考に病院を選ぶのは危険!?

画像診断や組織診でがんの確定診断がついた場合、検査を受けた病院でそのまま手術、放射線、化学療法(抗がん剤)による治療を開始することもありますが、治療に関して希望や不安があれば、その旨を医師に直接伝えたり、第三者である医師に意見を聞く「セカンドオピニオン」を利用するのもよいでしょう。

日本には質の高いがん医療を行う体制が整備されている「がん拠点病院」が全国各地にあります。またがん拠点病院には相談支援センターが設けられており、自分がどの病院を受診すればよいかなどの相談にも応じてくれます。

がんの患者さんが多い病院によっては、臓器別のがんの治療件数や生存率などのデータをホームページで公開していることももあります。またがん医療を提供している病院の「ランキング本」も数多く出版されています。

ただし、これらのデータをそのまま鵜呑みにして病院を選ぶのは勧められません。例えば生存率が低い病院がある場合、実際は高度な手術技術を持った先生が在籍しており、ほかの病院で「手術が困難」と治療を断られた患者さんを積極的に受け入れて手術をしているというケースも考えられます。治療困難な患者さんが多く集まってくるので、元から生存率のデータはそれほど良くないのです。

またがんの治療成績が良くても、既にほかの持病がある方はその診療科が病院に存在していないこともあります。特に高齢者の場合、色々な病気を抱えていることが多いので、過去に脳梗塞や心筋梗塞を起こした方、現在糖尿病や高血圧などの持病がある患者さんの場合、複数の診療科を横断した総合的な治療が必要になることもありますので、ランキング本に掲載されているがん専門病院よりも他科との連携が可能な総合病院の方が適していることも考えられます。

また、ほかの病気に比べて、がんの治療は長期間にわたる可能性があるので、がん治療で有名な病院であっても通院や家族の付き添いの際の交通の便が悪かったり、距離が遠いと患者や家族の負担が増してしまいます。

以前は主にがん治療=入院でしたので、多少交通が不便でも問題はありませんでしたが、手術後は日帰りの抗がん剤治療など外来への通院だけで治療が可能になるなど、治療の選択肢が増えています。したがって、病院選びには交通の便も非常に大きな条件となります。

治療内容によっては、長期間のリハビリを行うことがあります。リハビリは医師、看護師だけでなく理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのサポートを受けることになります。そのためがん専門医だけでなく、他の医療スタッフが充実していることも病院選びの際には大切な条件となります。

このように様々な条件を考慮しないと、ランキング本に掲載されている数字だけでは自分に適しているがん治療が受けられない可能性があるのです。