臓器別に見るがんの症状と検査方法

肝臓がんはB型・C型肝炎ウイルスの持続感染に起因しています

肝臓がんは、肝炎ウイルスの持続感染によって細胞が炎症と再生を繰り返すなかで、遺伝子が突然変異して発症すると考えられています。日本人の肝臓がん70%はC型肝炎ウイルスの持続感染による慢性肝炎や肝硬変が背景にあるとされています。

通称「沈黙の臓器」

一般に肝臓病は、肝炎→肝硬変→肝臓がんという流れで進行していきますが、症状が劇的に悪化することがないため、早期発見が難しいのが厄介なところです。この流れの中で、肝硬変に進行するまでにどう病気を発見するかがカギとなります。というのも、一度肝硬変を発症してしまうと、治療を行っても元の状態に戻すことはできないからです。

肝硬変では、肝細胞は壊死し、収縮して硬くなります。肝臓が硬いために起きる腹水や食道静脈瘤と、肝機能が低下することによる肝性脳症や黄疸などが問題となります。肝硬変に至る原因として最も多いのが、ウイルス感染、中でもC型肝炎ウイルスによる「ウイルス性肝炎」です。ウイルス性肝炎を発症した約50%の人が肝硬変に進行し、さらにその約10%の人が10年以内に肝臓がんを発症することがわかっています。

肝臓がんの検査では、採血を行い、肝障害に反応するAST・ALTやγ-GTP、肝炎ウイルスを調べます。既にB型およびC型肝炎ウイルスに持続感染している人は、定期的に検査を受けて肝臓の状態をチェックする必要があります。

肝臓がんが疑われる場合は、腹部超音波(エコー)検査やCT検査を行い、これで異常が疑われれば、MRIや血管造影を行います。近年は、血管造影とCTを組み合わせた血管造影下CT検査や、造影剤を使用したエコー検査を実施する医療機関も増えています。

肝臓がんを予防するためには、肝炎ウイルスの感染予防と、持続感染者に対する肝臓がん発生予防が大切です。既に肝炎ウイルスに感染している人(肝炎を発症していないキャリアも含む)は、肝臓がんのハイリスク群ですので、早期発見・治療のために定期的な検査が欠かせません。

慢性肝炎、特に肝硬変が進行している人は腹部超音波検査などの検査を年3回程度受けることが大切です。近年、ウイルスを原因としない脂肪肝や肝硬変が進行して、肝臓がんを発症する人も少なくないため、定期的に検査を受けましょう。