臓器別に見るがんの症状と検査方法

治療が困難なケースも多く罹患者の生存率は高くない膵臓がん

日本人のがん全体の死亡者数で第4位(国立がんセンター)となっている「膵臓がん」は、肉類などの脂っぽい食事、お酒の飲みすぎ、喫煙習慣などが原因となります。死亡率が高いがんの代表で、すい臓がんと診断されて完治するのは4%にすぎません。

早期発見が難しいがんの代表

膵臓がんの死亡率が高いのはいくつかの理由があります。まず、膵臓は体の深部で胃の裏側に位置しており、初期には無症状なために早期発見が困難であること。そのため唯一完治が望める手術を実施しようとしても、発見時には膵臓付近の血管に転移があったりして、手術可能例が15%程度と低いこと、射線治療や化学療法(抗がん剤)も十分な効果をあげていないこと、そして再発率が高いことなどが挙げられます。

膵臓は、食物の消化を助ける膵液をつくったり、血糖値の調節に欠かせないインスリンやグルカゴンなどのホルモンをつくっている洋梨状の臓器です。膵臓がんは、初期には自覚症状がなく、がんが進行すると皮膚や目が黄色になる黄疸が現れ、尿の色が濃くなったり、皮膚がかゆくなったりします。

しかし、胆石や肝炎でも黄疸は現れるので、これだけですい臓がんを疑うことはできません。膵臓は、その周囲に胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆のうなどがあるため、早期発見が難しく、発見時には手遅れということも少なくありません。

膵臓がんの検査は、腹部超音波検査で膵臓を観察します。超音波が到達する範囲であれば、1cmほどの小さな病変も発見することができます。しかし、腸のガスト脂肪が邪魔になって膵臓全体を観察することはできません。太っている人の場合、かなり大きいがんでも発見が難しいこともあります。

一方、CT検査では膵臓全体を描出することができます。超音波検査は太っている人は不向きでしたが、CT検査では脂肪が付いている人の膵臓は輪郭がはっきりするために、脂肪が付いている人の方が病変を発見しやすくなっています。ただし、すい臓がんと正常組織のコントラストが低い場合は、がんが写らない場合もあります。

超音波とCTに加えて、超音波内視鏡検査(EUS)も行われます。この検査は、胃まで挿入した内視鏡の先端から超音波端子を操作するもので、膵臓を胃壁越しで観察できるのが特徴です。腹部超音波検査と異なり、筋肉や脂肪組織が間に介在しないので精細な画像を得ることができます。

症状に合わせてCTやMRI、超音波内視鏡などの検査を組み合わせて総合的に診断されます。腹部超音波とCTの組み合わせで、すい臓がんの大半は発見できます。CA10-9、CEA、エラスターゼ1などの腫瘍マーカーの数値にも変化が現れます。

内視鏡検査で組織を採取して、がんの確定診断がついたとしても、治療が困難なケースも多く罹患者の生存率は高くありません。